デジタル簡易業務用無線機とは?どんなときに役立つ無線なのか解説!
大型ショッピングモールの警備やライヴ会場などで使用されている無線機のひとつに「デジタル簡易業務用無線機」があります。デジタル簡易業務用無線機はさまざまな業種で幅広く取り入れられており、離れた場所にいる相手とスムーズにやり取りできる点が魅力です。今回はデジタル簡易業務用無線機について、特徴や利用シーンなどを解説します。
デジタル簡易業務用無線機とは
デジタル簡易業務用無線機とは、主に業務用として使用されるデジタル通信方式の無線機です。ここでは、デジタル簡易業務用無線機の概要や無線局の種類について詳しく解説します。
デジタル簡易業務用無線機の概要
デジタル簡易業務用無線機とは、デジタル通信方式を利用して通信できる業務用の無線機です。無線連絡を行うために利用する無線局は簡易無線局と呼ばれ、デジタル通信・アナログ通信の2種類の通信方式に分けられます。デジタル簡易業務用無線機で利用するデジタル通信は、アナログ通信よりも音質・秘話性などに優れているのが特徴です。なお、アナログ通信は今後廃止されることが決定しています。
無線局には免許局・登録局の2種類がある
デジタル簡易無線の無線局は、免許局と登録局の2種類に分けられます。免許局とは、業務用として会社などで使用する無線機のための無線局です。
対して、登録局とは、業務利用・私的利用を問わず誰でも使用できる無線局を指します。免許局は通信性が優れている一方で、登録手続きに手間がかかるのです。登録局は免許局と比較して通信性に劣りますが、使用に関する制限が少なく、レンタルやレジャー利用などでも利用できます。
デジタル簡易業務用無線機の通信距離
デジタル簡易業務用無線機は、アナログ通信の無線機と比較して通信の質が高い傾向です。ここでは、デジタル簡易業務用無線機の通信距離について解説します。
通信可能な距離は約10km
デジタル簡易業務用無線機の通信可能距離は、見通しのよい環境下で約10kmとされています。1〜5kmほどの距離であれば、基本的には環境を問わず安定した通信が可能です。デジタル簡易業務用無線機は、建物の外と中での通信や1階と5階での通信など、遮蔽物・障害物を挟んで通信できる点もメリットとして挙げられます。
通信距離に関する注意点
デジタル簡易業務用無線機にはさまざまな種類があり、それぞれで通信可能な範囲も異なります。デジタル通信方式を採用した無線機は、出力できるW数が大きいほど広範囲で通信可能です。
そのため、1Wや2Wの無線機の場合、5Wの無線機と比較すると通信できる範囲が狭くなります。また、建物が密集している都心部での通信やフロアが10階以上離れている環境での通信などでは、機種によっては通信が難しいケースもあるため注意してください。
デジタル簡易業務用無線機を活用できる場面
デジタル簡易業務用無線機は、あらゆる業種で広く活用されています。ここでは、デジタル簡易業務用無線機がどのように利用されているかを業種ごとに分けて詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
警備業
警備関係の仕事は、無線機を利用する職業の代表格です。一口に警備と言ってもさまざまな場所・業務内容がありますが、とくに大型ショッピングモールやビルなどに常駐して警備業を行う場合は、遮蔽物や障害物の影響を受けずに会話できるデジタル簡易業務用無線機が向いています。
物流倉庫の搬入・搬出業
最近ではインターネット通販サイトを利用してショッピングする人が増えていることから、物流倉庫も増加傾向です。大型物流倉庫では、作業スタッフが無線機を通して事務所や守衛所、トラック、フォークリフトなどと連携を取ることで、作業効率アップや事故防止につながります。
デジタル簡易業務用無線機は通信の質が高いため、冷蔵・冷凍環境の倉庫であっても、スタッフ間で問題なく会話できるのです。
イベント運営業
花火大会や大規模なイベント・お祭りなどでは、運営スタッフの無線機使用が欠かせません。デジタル簡易業務用無線機は場所を問わず複数のスタッフと同時に通信できるため、一斉指示や情報伝達などがスムーズになります。
建設業
建築現場・工事現場などで無線を使用すれば、離れた場所にいる作業員とのコミュニケーションが可能です。また、作業員全員に向けた情報伝達もできるため、作業効率アップや安全性の確保にもつながります。
ホテル業
ホテルの仕事では、フロントや駐車場、宴会場、ホール、管理室などの連携が非常に重要です。簡易業務用無線機を使用することで、お客様対応がよりスムーズとなります。
今回は、デジタル簡易業務用無線機について解説しました。デジタル簡易業務用無線機とは、業務用として会社などで使用する無線機を指します。通信可能な距離は最大10kmにもおよび、遮蔽物・障害物があっても通信しやすい点が特徴です。ただし、出力W数が小さい機種の場合は、環境によって通信しにくくなるケースもあるため注意してください。デジタル簡易業務用無線機は、警備業や物流倉庫の搬入・搬出業、イベント運営業など、さまざまな業種で幅広く使用されています。デジタル簡易業務用無線機の採用を検討している人は、今回の記事をぜひ参考にしてください。