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MCA無線機はどんな無線機?IP無線機との違いと選び方をご紹介!

公開日:2023/04/15  最終更新日:2023/05/25

無線機にはさまざまな種類が存在し、中でも広範囲に対応するIP無線機が主流とされています。しかし広範囲に対応する無線機にはもうひとつ、MCA無線機という種類もあるのです。この記事ではMCA無線機の特徴やIP無線機との違いについて解説していきます。興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

MCA無線機とは

そもそもMCA無線機とは、全国の中継局を介して無線の送受信を行う無線機のことです。無線機には特定小型無線機、デジタル・アナログ無線機、トランシーバーなどさまざまな種類がありますが、これらの通信エリアは数百mと狭く、最大でも5km程度までしか届きません。

一方、MCA無線機の通信エリアは30km~40kmと広範囲に対応できることが大きな特徴で、中継局をつなげていけば北海道から沖縄まで通信することもできるのです。また、業務用無線機のようにアンテナを設置する必要もないため価格も抑えやすく、中継局も全国に110か所設置されており、どこからでも利用できる魅力もあります。

なお、MCA無線機は1982年から導入されている古い通信手段ですが、現在ではさまざまな運輸業者をはじめ、土木・建設業からサービス業、学校や医療、福祉施設のほか、国や地方自治体にいたるまで、数多くの分野で利用されています。

なぜこれだけ多くの分野で利用されているかというと、理由のひとつに災害時に非常に強い点が挙げられます。MCA無線機の中継局は新耐震基準で設計された耐震性に優れた建物であり、中には高層ビルの頂上に建設された中継局もあるのです。

さらに万が一停電が発生した際には非常用電源、回線が切れた際には災害用の緊急回線を確保するほか、24時間体制の監視という万全のサポートを体制が整っているため、緊急時にも安心して通話できます。

実際に阪神・淡路大震災や東日本大震災など大規模災害においても問題なく運用されるなど実績も豊富にあり、こうした点から多くの分野で利用されてきたのでしょう。ほかにも低コストで運用できる点や安定して通信できる点も普及の背景として考えられます。

MCA無線機とIP無線機の違い

MCA無線機とIP無線機の違いは主に通信方法と通信エリアの2つです

MCA無線機は中継局を介して電波を受信するのに対し、IP無線機はインターネット回線を用いて通信を行います。そのため、IP通信機は全国どこにいても会話が可能であり、一方、MCA無線機は中継局の電波が届くエリアしか対応できません。MCA無線機も30~40kmと広範囲に対応できますが、通信エリアでいえばIP無線機が圧倒的にお得になります。

また、無線機の使用には総務省から許可を受けなくてはならず、そのための免許や資格が必須とされていますが、IP無線機は電力が微弱であるため、資格も免許申請の必要もありません。従ってIP無線機は気軽に利用しやすいという特徴もあります。一方でMCA無線機は資格取得の必要はないものの、免許申請を行う必要があるなど手間がかかります。

そのほか、通話面に関してはどちらも安定した通話が可能ではあるものの、音質や通話時間では特徴が異なるのです。MCA無線の音質はよいとはいえず、場合によっては声が小さくなったり、途切れたりする恐れがあります。

通話時間も無制限にできるわけではなく、MCA無線機は3~5分以上は通話できません。これはなぜかというと、MCA無線で用いる回線には限りがあるためであり、大規模災害などにおいて回線が混雑すると順番待ちが発生するケースもあるからです。

一方、IP無線機はいくらでも通話できるうえ、音質もデータ変換されておりクリアに聞こえやすいという魅力があります。とはいえ、回線は大手キャリア回線を使用しているため、山間部など一部つながらないエリアも存在しており、利用前には通信エリアを確認しておくとよいでしょう。

費用は、MCA無線機は月額2,000円~2,500円前後に対して、IP無線機は月額2,000円~4,000円前後とランニングコストはそこまで変わりません。しかし、MCA無線機の端末は安い代物でも10万円以上、最新機種は20万円以上と非常に高額になります。

IP無線機の端末代は2万円~10万円ほどとMCA無線機より安いうえ、スマートフォン用のIP無線機のアプリも導入も可能なため、端末代をかけずに利用できるでしょう。この点から使い勝手や費用に関してはIP無線のほうがお得です。

MCA無線機とIP無線機のどちらを選ぶべき?

MCA無線機とIP無線機はそれぞれに適した強みや特徴をもっています。MCA無線機は通話時間や対応エリアでIP無線に劣るものの、災害時においては安定して通話できるため、いざという時には頼りになる存在です。一方、IP無線機は全国規模で通話できるうえ、免許申請も高額な費用をかける必要もないことから非常に導入しやすく、コストを抑えたい方や手軽に導入したい方に向いています。

ただし、IP無線機は回線が込み合いやすい状況ではつながりづらいです。たとえば花火大会やマラソンなど、大規模イベントにおいては人が密集するため通信障害が起きやすく、同様に災害発生時にも回線に人が集中するためつながりにくくなります。しかし、MCA無線機は回線障害も心配もないうえ、何より災害時の対策が徹底されていることから緊急時の連絡手段としてはうってつけといえるでしょう。

まとめ

MCA無線機は一般的な無線機より通信エリアが幅広く、アンテナの設置など大きな費用をかける必要もありません。ただし、IP無線機と比較するとアプリや全国に通話可能という理由から、費用や使い勝手の面ではIP無線機が上回ります。

しかし、MCA無線機は災害時に強く、どんなときでも安定して通話できるのが最大の強みです。IP無線機は通信障害や災害時はつながりにくくなる恐れがあるため、気軽に使いたい場合はIP無線機、緊急時のケースを考える際にはMCA無線機と使い分けるのがよいでしょう。

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