無線LANトランシーバーは、アクセスポイントを増設することで通信ができるシステムのことをいいます。免許申請がいらないため、誰でも簡単に使用できる特徴があり、離れた場所や屋内での通信が可能なため、さまざまな場面で使用できます。今回は、屋内で使用するなら無線LANトランシーバーがおすすめの理由について解説します。

従来の無線機では届かなかった範囲まで届く

無線LANトランシーバーは、従来の無線機では届かなかった範囲まで信号を届けることが可能です。無線LANトランシーバーが使用する周波数帯が、従来の無線機とは異なるためです。従来の無線機は、400MHz帯や800MHz帯などの低周波数帯を使用していました。これらの周波数帯は、障害物に遮られ、建物の中にいると通信ができなくなるなどの問題があります。

一方、無線LANトランシーバーは、2.4GHz帯や5GHz帯の高周波数帯を使用するため、ビルにおいて異なる階層でも比較的安定した通信が可能です。また、無線LANトランシーバーは、中継機能を持っている場合があり、複数のアクセスポイントを使って、より広範囲な通信網を構築できます。

しかし、無線LANトランシーバーでも、通信ができない場合があります。周囲の電波状況や、建物の構造、人の移動などによって、通信が乱れたり、途切れたりすることがあります。

したがって、無線LANトランシーバーを使う場合は、設置場所や環境に注意する必要があります。無線LANトランシーバーは、従来の無線機では届かなかった範囲まで信号を届けることができますが、周囲の環境によって通信が乱れることがあるため、注意が必要です。

情報秘匿性が高い

無線LANトランシーバーは、インターネットを介して暗号化されることで情報を保護し、秘匿性が高いといえるでしょう。ただし、暗号化やセキュリティ機能が充分でない場合、外部からの不正アクセスや情報漏洩のリスクがあります。

また、無線LANトランシーバーは、ほかの無線通信と同様に、電波の特性上、傍受される可能性があります。したがって、企業では、適切な暗号化やセキュリティ対策を講じることが不可欠です。

無線LANトランシーバーにはデメリットもある

無線LANトランシーバーには、以下のようなデメリットがあります。

通信品質の影響を受けやすい

無線LANトランシーバーは、無線通信を行うため、周波数帯や周囲の電波状況などによって通信品質が影響を受けます。たとえば、建物の種類や建築材料、障害物の有無などによって通信品質が低下し、通信が途切れることがあります。

電波干渉が起こる可能性がある

無線LANトランシーバーは、一般的に2.4GHz帯や5GHz帯を使用します。これらの周波数帯は、ほかの電子機器や無線機器と共有されているため、電波干渉が起こる可能性があります。近隣にほかの無線機器がある場合には、通信品質が低下する恐れがあります。

ランニングコストは不要だが、ネットワーク機器やWi-Fi環境の整備が必要

無線LANトランシーバーを利用する場合、通信に必要な費用は基本的に不要です。無線LANトランシーバー同士で直接通信するため、通信料や通信回線の契約が不要となるためです。

ただし、無線LANトランシーバーを利用するためには、ネットワーク機器やWi-Fi環境の整備が必要です。たとえば、無線LANトランシーバーを使用する場合、無線LANルーターが必要になります。また、無線LANルーターを接続するためのネットワーク配線や電源など、周辺の環境整備が必要になる場合もあります。

さらに、無線LANトランシーバーを利用する場合には、セキュリティの確保も必要です。無線LANトランシーバーは、Wi-Fi環境を介して通信するため、不正なアクセスや情報漏れのリスクがあります。したがって、無線LANトランシーバーを利用する場合には、暗号化やパスワード設定などのセキュリティ対策を行う必要があります。

無線LANトランシーバーを利用する場合には、ランニングコストは不要ですが、ネットワーク機器やWi-Fi環境の整備、セキュリティ対策が必要になることに注意が必要です。

電池の消耗が早い

無線LANトランシーバーは、電池を使用して動作します。通信量や周波数帯の使用などによって消費電力が変化しますが、一般的にはアナログ無線機よりも電池の消耗が早く、頻繁に充電する必要があります。

以上が、無線LANトランシーバーに関するデメリットです。しかし、利便性や機能面などにおいてアナログ無線機に比べて優れている点もあります。使用目的や環境に合わせて、適切な無線機器を選択することが重要です。

まとめ

今回は、屋内で使用するなら無線LANトランシーバーがおすすめの理由について解説します。さまざまなシーンで活用法があり、業種を問わず利用価値が高い特徴があります。ただし、デメリットであったように、通信環境次第では通信に影響がでる場合や、通信環境の整備が必要な場面もみられます。

しかし、無線LANトランシーバーは、工事不要でアクセスポイントを設置することで手軽に利用できるため仕事において作業効率はいいといえます。無線LANトランシーバーを職場で活用したい場合には、今回の記事を参考にしてください。