今さら聞けない!「インカム」と「トランシーバー」の違い
「トランシーバー」や「インカム」とはいったい何のことかご存知でしょうか。今回は「トランシーバー」と「インカム」の違いから、場面に応じた使い分け、そして「インカム」や「トランシーバー」はスマホで代用することが可能なのかどうか、またその際の注意点などについて、詳しく解説していきたいと思います。
インカムとトランシーバーの違い
まず初めに「インカム」と「トランシーバー」の違いについて解説していきます。まず「トランシーバー」とは無線電波の送信機能と受信機能の両方を兼ね備えた通信機器のことを指します。トランシーバーの言葉の由来は、送信機を意味である「トランスミッション」と受信機の意味である「レシーバー」の2語が合わさって「トランシーバー」という言葉になりました。
実は「インカム」とはトランシーバーの一種です。何が違うかというとインカムはヘッドセットで両手がフリーの状態になるタイプのトランシーバーです。インカムの言葉の由来は日本語で内線通信機という「インターコミュニケーションシステム」の略語で「インカム」という言葉が生まれました。
ですので「トランシーバー」とは送信システムと受信システムの両方を兼ね備えていて、相手と対話が可能な無線機であり、「インカム」は「ヘッドセットを備えたトランシーバー」であるといえます。また、形状以外にもトランシーバーとインカムには違いがあります。インカムは送信者も受信者も複数人いる状態になるという点です。基本的にトランシーバーの場合、送信者は1人です。一方でインカムは誰でも発信することができるため、トランシーバーに比べてコミュニケーションがとりやすいことがメリットとして挙げられます。
両手を開けておきたい場合はインカムがおすすめ!
一般的にトランシーバーは手に持っていないと使用できません。そのため、両手を開けておく必要がある場合にはトランシーバーではなくインカムを使用する方がよいでしょう。さらに、先ほどの説明でもありましたが、インカムは誰でも発信することが可能な無線機です。そのため、複数人でのコミュニケーションを要している場合もインカムの使用がおすすめになります。例えば、ホールや工場のような場所で複数のスタッフでのやり取りが必要になるときに役立つでしょう。
インカムやトランシーバーはスマホで代用できる?
トランシーバーやインカムは非常に便利な無線機になります。これらは何か他のものでの代用は可能なのでしょうか。実は、スマートフォンにはトランシーバーのアプリが存在しています。そのため、アプリをインストールすることでスマホをトランシーバーとして使用することができるようになります。スマホでトランシーバーを使用することのメリットをご紹介します。
まず何といっても「経済的に優しい」という点です。トランシーバー本体の機器を購入する必要がないため非常に容易に手に入れることができます。実際のトランシーバーとなると、安いものでも1万円ほどで高価なものになると10万円を超えるものも出てきます。
その一方でスマートフォンのトランシーバーアプリの多くは無料でのダウンロードが可能になっています。これを聞くととても驚きの事実ですよね。アプリにも様々な種類が存在しています。デジタル機器向けの無線通信規格であるBluetoothを利用したものや、インターネット回線を利用したものなど様々です。
また、混信がなく秘匿性に優れたIP無線アプリなんかも存在しています。ですので、どういったタイプのトランシーバーアプリなのかを確認してから、自分に最も合ったアプリをインストールするとよいでしょう。またこれらのトランシーバーの使用に関しては、スマホアプリの扱いのため免許や申請は不要になっており、ウェブで登録が完了すれば事務手続きなどの必要はなく、すぐに使用できることもメリットです。
一方でトランシーバーアプリにはデメリットもあります。それは「通話可能エリアの狭さ」です。Bluetoothを使ったトランシーバーの場合半径が20メートルほどであり、実際のトランシーバーとは程遠くなっています。また、インターネット経由のものも通信回線やWi-Fiが通っていないところではもちろん使用できません。つまり山奥のような圏外地帯での使用は不可能です。
さらに、もちろんお金を払って購入したわけではありませんので、アフターサービス等に期待することはできません。何か生じた際は自分で対応しなければいけません。ですので、スマホでの代用は可能ですが、完全なトランシーバーの機能を期待しないようにしましょう。
今回は「インカム」と「トランシーバー」の違いについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。トランシーバーは送信機能と受信機の両方を持つ無線機のことでした。一方でインカムはトランシーバーの一種ですが、両手を使えて複数人でやり取りができることが特徴でした。また、トランシーバーの代用はスマホで可能でしたが、本物のトランシーバーとの違いもありましたので、その部分を理解したうえで使用しましょう。